もはや魔人ブウにチョコにしてもらった方が 人のお役に立てる気がする

ケツまくって会社辞めた27歳が ニヤニヤしながら社会のゴミ屑になっていく様子を綴っておりましたが気づけば30歳、子持ちになりましたアンビリーバボー。

買った時点で筋トレは始まっている



「ゼクシィ」を買った。後悔はしていない。

まず最初に申しあげておきたいのは、私は「ゼクシィ」に何の恨みも無ければ、リクルートという会社も素晴らしい会社だと思っている。親しい友人が何人も勤めているし、親しい友人の愛する人も勤めている、人一倍親近感のある会社だ。私の愛読書は「タウンワーク」と言っても過言ではないくらい、リクルートさんの出版物を毎週読んでもいるほど愛着もある。無料だけど。その上で、書く。



「『ゼクシィ』を買う女」には絶対なりたくなかった。

でも、「ゼクシィ」を買った。後悔はしていない。






まず昔から、私の中で「ゼクシィ」の敷居は高かった。キリマンジャロぐらいには高かった。
「プロポーズされたらゼクシィ」というキャッチコピーで知られているが、私はそもそもプロポーズなどされていない。なぜなら「プロポーズなんかしたら殺す」と夫に言っていたからだ。(理由:照れくさい)

また、「ゼクシィ」は、結婚および結婚式を非常に楽しみにしている女性だけのためのものであると思っていた。
それこそ、Instagramでウェディング専用アカウントを作ってしまうような女性こそが、「ゼクシィ」を買うのだと思っていた。

それに対して私は、結婚そのものにそこまでの思い入れもない。
入籍日だって、「どうせ絶対忘れるからいつでもいい」とのたまっていた女だ。そんな奴にゼクシィを買う資格があるというのか。いや、ない。



さらには、ここまでくるとお察しの通り、結婚式にも興味が無い。

何なら、一生やらずに終わってもいいと思っていた。人の結婚式は大好きだが、自分のウェディング姿を大金を払った上で人様に見せることに何の喜びも感じなかった。


※結果、バツイチの同僚から「結婚はどっちでもいいが、結婚式は絶対やった方が良い。やれる立場にいるのにやらない奴は馬鹿だ、死ね、死んだ方が良い」と飲みの席で延々訳の分からない説得をされ、また、バツ2の人生の先輩からも「結婚式の思い出だけは一生美しいままだ」と遠い目をしながら言われ、最終的には還暦を過ぎた母親からの「さあちゃんのウェディング姿、見たいなぁ」というキックアス台詞をしつこく言われ、親族だけの小さい式はやることに決めました。そして今となってはとても楽しみです。






話が逸れたが、つまるところ、「ゼクシィ」を買う女性は、「結婚に浮かれている」という前提である気がして仕方がなかった。本当に、ドッポン便所に垂れ流してしまえばいいくらいどうでもいいプライドだが、とにかくそういった「ゼクシィを買う女」にはなりたくなかった。何故かは分からない。とにかく、なりたくなかった。


じゃぁ買わなければいい、その一言である。

しかし皆さん、お分かりだろうか。
私はこの「ゼクシィを買う女になりたくない」という謎のプライドを持つくらい、同時に「ゼクシィを異様に意識している女」だったのである。




それでも、入籍日が決まってから、数か月、ゼクシィを買うことはやはり無かった。
ふとした瞬間に、「ネタで買ってみようかな」とも思ったが、帰り道にはすっかり忘れている。
そんな日々が続いていたが、ある日、転機が訪れた。


「来週末に結婚指輪買いに行こか」と、夫(当時は彼氏)に言われたのである。

私は、こらまたゼクシィ女子的にはあるまじき「婚約指輪なんか絶対いらない」という女だったが、結婚指輪はちゃんと欲しかった。毎日肌身離さずつけられる、細めでシンプルで、でも上品な結婚指輪が欲しいと思っていたし、それは彼にも伝えていた。


来週末までに、ちゃんと下調べをしておこうと思い、ネットでいろいろ調べた。
最初はカルティエ一本縛りだったが、調べれば調べるほど、別にもっと範囲を広げてもいいのでは?と思いだした。そうなり始めると、意外や意外、ネットは情報がありすぎて、とても調べづらかったのである。

となると、雑誌が一番見やすく、知りたい情報だけを余すことなく見せてくれるのでは、と思いついた。
どの雑誌を買えばいいか、ネットで調べてみると、
「ゼクシィ」もしくは「25ansのウェディングジュエリー特集」がオススメであることが分かった。



1年前の自分であれば、迷わず25ansを買っていたはずだ。
しかし、25ansは予算も倍以上のものばかり特集されているし、25ansなら、別にいつだって買える。
ところが、「ゼクシィ」はどうか。
「ゼクシィ」は、結婚もしくはお式前に買って、キラキラと目を輝かせながら読むべきものなのではないか。今こそ、堂々と、女性がゼクシィを手にしても許される時期なのである。


「ゼクシィを買う女」にはなりたくなかったが、「結婚指輪情報のためだけにゼクシィを買ってみた女」にならば、なってもいいと思えた。というかまず、「なってもいい」という自分の上から目線ぷりにも吐き気がするし、今思えば、心から、マグマの底からどうでもいい。


「結婚指輪を買いに行く来週末」を2日前に控え、私はもう、あらゆる概念を捨て、「ブログのネタにもなるし、もう何でもいいや」と、梅田の紀伊国屋で、とうとうゼクシィを買った。



380円の「(レギュラー)ゼクシィ」と、500円の「ゼクシィプレミア」が雑誌コーナーの一番手前に並べてあった。
「ゼクシィプレミア」は「33歳以上の花嫁」向けということで、表紙も少し落ち着いた雰囲気であるように感じた。とにかく「33歳から」「大人婚」ということを前面に押し出していた。
28歳である私は、「ゼクシィプレミア」に手を出すには若干早い。
しかし、私の夫はもう両足をどっぷり40代に突っ込んだ「中年男性」である。アラサ―と中年男性の結婚であるならば、もう「33歳以上の大人婚」とみなしてもおかしくはない。

どうせならば、「(レギュラー)ゼクシィ」を買うべきであることは、自分のネタ的にも正しいことは分かっていた。

でも、やはり躊躇してしまった。パステルカラーであふれた「ゼクシィ」の文字と微笑む金髪のモデルさんの表紙は、私には眩しすぎた。「ゼクシィプレミア」の表紙を飾るドレス姿の菊川怜が、野際陽子くらい落ち着いて見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

※ゼクシィプレミア

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私は「ゼクシィプレミアにしておこう」と心に決め、手に持った。

ビックリした。めちゃくちゃビックリした。予想していた3倍くらい、雑誌が重かったからである。


ふと隣にある「(レギュラー)ゼクシィ」を見た。表紙しか目に入っていなかったが、横から側面を見ると、ありえないくらい太かった。「ゼクシィプレミア」の1.5倍の重さはありそうだ。「ゼクシィプレミア」を持ち歩くことを考えただけでも憂鬱になるのに、普通のゼクシィはそれより重いというのか。もしかすると、「ゼクシィプレミア」は、33歳以上の体力面を考えて少し軽めに設定されているのか。でも120円高いのは、何の理由があってなのか。
色々な思いを交錯させながら、ズッシリと腕に「ゼクシィプレミア」の負荷を感じずつ、電車に乗った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

長くなり過ぎて、書いている自分が疲れてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

家に帰って、とりあえずビールを開けてから、「ゼクシィプレミア」のビニールをバリバリと破いた。

 

表紙から順番にページとめくって、3秒後には息をのんだ。

 

目に飛び込んできたその付録のページには、大きく「大人SWEETな婚姻届」と書いてあった。

 

 

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何だこれは。

 

 

 

 

 

婚姻届には、いわゆるファッション雑誌にありがちな「大人SWEET」や「辛口MIX」や「ボーイズカジュアル」みたいなジャンルがあるのか。

「アイコとケンちゃんの婚姻届、『ナチュラルエレガント』風で、すごい良かったって言ってたよ!」などどいう会話がゼクシィ界では繰り広げられているのか。 

 

下部には「大人カップルの皆さんは、ほろ苦い経験も甘い経験もしてきたことでしょう」と書いてある。

 

私から言わせれば、大体の女性はほろ苦い経験を20代前半で経験し終わっている。そしてその後、30代の大人は皆、世知辛い思いばかりして生きている。世知辛さを含んだ婚姻届はどこに頼んだら作ってくれるのだろう。ジャンルで言えば「てやんでぇスタイル」とでも言えば分かりやすいか。

 

 

 

とにかく何となくザワザワした胸中をなんとかおさえ、どんどん次のページに進んだ。

 

 

 

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目が痛い。

 

誠実で真面目でちゃんとしたことなど人生で一度もしてこなかった。大人の結婚はこんなにも制約があるのか。段々怖くなってくる。

 

とにかく「大人婚」なるもの、「しっぽり静かに目立たずに」ということが重要らしい。それはそれで良いとして、次のページの「33歳以上が参考にしたい世界のリアルウェディング」の一番目がこれで、度肝を抜かれた。

 

 

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マリブの絶壁じゃねぇか!!!!

 

控えめなちゃんとした着実な結婚式どこいった!!!!

招待客の足元すら物理的に危ういわ!!! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後に続く結婚挨拶のマナーやら何やらは非常に事細かで分かりやすかった。マナーの話なのに「相手の実家では忍びの術で」とか、くノ一もビックリな表現が多用されてて、読み応えがあったし、実際に「あー、これは結婚に関わらず言えることだな」ということもたくさん書いてあった。

 

 

 

ペン習字の練習ページがあったり、

結婚してから社会的に貰えるお金の説明もあったりして、このお金の話なんかはすごく具体的で役に立つなぁと思い、しばらくマリブの絶壁の衝撃も忘れ、ふんふんと読み進めていた。

 

 

その数十秒後に、飲んでたビールが鼻に入った。

 

 

 

 

 

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なんだこれは。(2回目)

 

 

 

「このモデルのベールにダンベルの飾り付けようぜ」と決めた編集者もしくはデザイナーと私は是非酒を酌み交わしたい。圧巻である。

「嫁トレ」という、ものすごくざっくりかつフワッとしたタイトルも大好物だ。素晴らしいの一言である。

 

中を読むと、意外と表紙のインパクトとは打って変わって、普通のエクササイズ特集だったのが惜しかった。もっと脂ギッシュで暑苦しい内容だったら、私はおそらくリクルートのお客様サービスセンターに電話して、御礼を申し上げていたと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後半部分は、ウエディングドレス特集で、これもかなり良かった。

さすが控えめで着実な大人結婚式を押しているだけあって、サラッとした美しい私好みなドレスがいっぱいあり、本当に参考になった。

私はかねてより、たまに見かける「きゃりーぱみゅぱみゅ以外誰が着こなすねん!!つかダセェ!!」というフェミニン系ブリブリドレスに辟易していたのだ。

 

 

※参考:上戸彩すらも似合っていないブリブリドレス

(ていうか本人デザインなんだが)

 

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しかし読み進めてあることに気付いたのだが、読者が実際に着たドレスを紹介するコーナーで、「あ、この人のドレス綺麗!❤︎」と思った方々はもれなく全員顔面美人でスタイルが良かったのでやっぱり何というかもうそういうことなんだろうな、と改めて世の世知辛さを痛感した。てやんでぇ。

 

 

 

 

 

 後半は全て式場広告になっており、この重量感の理由をようやく把握できた。

そら重いわ。こんだけ広告あったら。っていうか、ゼクシィってもともとそうゆう雑誌だったよな、式場選びがメインだよな、と気付くことも出来た。

 

 

 

そうしているうちに、全てのページを読み終えた。

 

 

 結果、やはり、『ゼクシィ』を読んで良かった。面白かった。色んな意味で。

ちなみに、当初の目的であった指輪情報は得られたかというと、正直そこはあんまり参考にはならなかった。どちらかというと婚約指輪メインだったので、私個人的な意見としては、少し物足りなかった。特集号とかが出ていたら、それがベストだったのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

ダラダラ長々と書き連ねたが、

 

 

 

1つ、これからゼクシィを購入予定の人々に伝えたいことがある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゼクシィ」は絶対に最寄駅で買え!!!

(重すぎて筋肉痛になります)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 以上

 



 

P.S

12月なりましたね。私は師走初日から風邪で死んでおります。

ほんでもってしれっと結婚しまして、苗字が永井から八木になりました。

名前の画数が少なすぎて、アホに見られないか不安です。

今後ともどうぞ宜しくおねげぇします。