別れてから分かった。もっと一緒に居たかった。
求めたのは自分だし、
貴方にする、って、決めたのも自分。
貴方はそれをすんなりと受け入れてくれて、何も言わず、ずっと側に居てくれた。
ただ、貴方はやっぱり、側に居るだけで、何もしてくれなかったね。
「やめときなよ、あんなやつ」
「まぁ、あんたが良いなら仕方ないけど…」
そんな家族や友人の声もたくさん聞いてきた。
やめたほうがいいのかな、
だって貴方は、いつだって横でニコニコしてるだけなんだもの。
いつかは別れなきゃいけないって、内心では分かってた。
でも、だって、の繰り返し。
だから、決めた。
ちゃんと別れる、って。
馬鹿だよね、あたし。
貴方の側に居ることも、
貴方の側から離れることも、
全部ぜーんぶ、自分で決めたことなのに、涙が止まらないの。
貴方はいつも笑顔で、ただ、ふんわりと私のカラダを包んでくれていたこと、ずっと忘れないよ。
あぁ、ニート。
ニート、本当にもう貴方とお別れなんだね。
就活しちゃったよ、
面接受けに行っちゃったよ、
人事手続きも明日終わるよ、
離れなきゃいけないことは分かってたけど、それでも貴方を愛してた。
本当に、愛してたんだよ、ニート。
貴方は世間から、「社会不適合者」とか「生きる屍」とか「資本主義のジレンマ」とか呼ばれているけれど、
あたし、好きだったよ。
貴方のその、ぬるま湯みたいな優しさと、時として見せる氷のような残酷さ。
居られるものなら居たかった。
貴方と一緒に、社会のゴミ屑でいたかった。
さよなら、ニート。
あたし、また、貴方の側にいっちゃうかもしれない。
その時は、もう、いっそのこと、結婚しよう。
だから、待っててね。
今まで、ホントにありがと。
大好きでした。
という訳で再就職決まりました。
ニートじゃなくなっても、社会的地位としては割と底辺に居るので、
皆さん、これからもこんな私を愛してください。
再就職祝いは酢こんぶで大丈夫です。